抜群の身体能力と積極性でパピナシビリを追い込んだ高藤。相手の消極的な姿勢に指導が与えられても守りに入らず攻めていった。だが優勢に立った直後、接近戦で帯の後ろをつかまれると、力で畳の上に転がされ敗れた。主審の一本コールを呆然と見つめ信じられないといった表情を浮かべる。格下選手の『一か八か』にハマってしまった。
天才肌の選手にありがちな精神面の脆さを指摘されることもあった高藤。気持ちが切れてもおかしくない敗戦だったが、敗者復活戦を勝ち上がるとオルカン・サファロフとの3位決定戦でも積極性を貫いた。相手に指導ふたつを与え優勢勝ちで銅メダルを獲得した。
【大会第1日】柔道女子48キロ級の近藤亜美選手と同男子60キロ級の高藤直寿選手が、ともに銅メダルを獲得しました! https://t.co/XJL34LCPBz #がんばれニッポン #柔道 #Rio2016 pic.twitter.com/B5Et8VOpol
— 日本オリンピック委員会(JOC) (@Japan_Olympic) 2016年8月6日
高藤の銅メダル獲得には、「柔道の近藤選手高藤選手銅メダルおめでとうございます!」「最後はポテンシャルをみせつけて敗者復活の銅か」「柔道の金メダル以外は駄目みたいな風潮は疑問。もう柔道は日本のお家芸じゃないんだから」「まだ23歳。東京五輪で金メダル頑張れ」「めっちゃ誇って、日本に帰ってきてください」など多くの声が寄せられている。
試合後の高藤は「4年後に必ず獲ります」と東京五輪での金メダルを宣言。負けた悔しさは畳の上で晴らす。