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【THE REAL】頑張り屋から点取り屋へ…貪欲に前進を続ける岡崎慎司がハリルジャパンにもたらす相乗効果

オピニオン コラム
岡崎慎司 参考画像(2016年3月24日)
岡崎慎司 参考画像(2016年3月24日) 全 5 枚 拡大写真
原因ははっきりしていた。ペナルティーエリア内のピンポイントで、味方からのパスに合わせるプレースタイルはアジア相手には通用しても、世界の舞台では図らずも限界を露呈してしまった。

「代表でもなかなか点を取れない時期もあった」

岡崎自身もこう振り返るどん底から脱出するために、プレーする舞台を海外に求めた。すべて途中からの出場だったワールドカップ南アフリカ大会。デンマーク代表とのグループリーグ最終戦で決めたゴールが、大きなターニングポイントとなった。

■僕は世界一のストライカーを目指している

岡崎の代わりにワントップを任された本田が、自らもシュートを打てる体勢にもかかわらず、右側をフォローしてきたフリーの岡崎にパスを預けた。右足で押し込むだけのゴールが、同じ1986年生まれで、ひと足早く日本を飛び出していた盟友・本田からの“檄”に思えた。

実際、南アフリカ大会を終えた直後の岡崎はこんな言葉を残している。

「無謀に聞こえるかもしれないけど、僕は世界一のストライカーを目指しているので」

アルベルト・ザッケローニ監督に率いられた日本代表で、二列目の右サイドで守備も担いながら、チャンスになればペナルティーエリア内に侵入。瞬時にストライカーと化す“二刀流”で、チーム内の得点王として君臨した。

対照的にエスパルスから移ったシュツットガルトでは、たとえば2012‐13シーズンはわずか1ゴールに甘んじている。クラブの首脳陣からは「ユニフォームの下に、日本代表のユニフォームを着てプレーしてほしい」と、嫌味とも受け取れる言葉もかけられた。


2016年3月29日に岡崎慎司はサッカー日本代表で100試合出場を達成 (c) Getty Images

それでも岡崎は屈しない。不断の努力と掲げてきた目線の高さは、2013‐14シーズンから移ったマインツで開花する。クラブタイ記録となる15ゴールをあげて不動のワントップに定着すると、翌シーズンにも12ゴールをマーク。日本代表における点取り屋の岡崎に、所属クラブの岡崎が再び追いついた。

その一方で岡崎は、「満足した時点で成長は止まる」を信条としてきた。昨シーズンからブンデスリーガよりもレベルの高いプレミアリーグに挑んだのも、これまでのサッカー人生の軌跡の延長線上にある。

残留すれば御の字とされたレスター・シティの快進撃を支えたひとりが、24ゴールをあげて大ブレークを果たし、イングランド代表にも抜擢されたFWジェイミー・ヴァーディであることに異論はない。

そして、なし遂げられた奇跡のプレミアリーグ制覇。英国の放送局『スカイ・スポーツ』は影のヒーロー5人のなかに岡崎を入れたうえで、最大級の賛辞を送っている。

「ヴァーディが称賛されているが、岡崎の貢献も見逃してはいけない。彼の運動量はチームメートや本拠地キングパワー・スタジアムのサポーターに感銘を与えている」

国境や文化を超えて、チームのために身を粉にして奮闘する姿で人々の胸を打つ。ある意味で快挙を達成した岡崎は、しかし、5ゴールに終わったフォワードとしての自分自身には及第点を与えていない。

点取り屋である自分に追いつくための挑戦は、スウォンジー戦の前半終了間際に放ったペナルティーエリアの外からのミドルシュートに表れている。惜しくも相手GKのファインセーブにあってしまったが、日本代表を含めて、昨シーズンまでの岡崎にはないパターンだった。

「何か(新しい)ことをしなきゃいけない、ということでずっと練習していた。あのシュートが入るかどうかはまた別として、リズムを取り戻せるというか、フォワードとしてゴールへ向かっていく気持ちというものを自分のなかで取り戻せるので。ああいうプレーは、代表でもやっていきたいですね」

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《藤江直人》

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