体操の団体戦や個人総合。卓球の男女の団体戦。そして、バドミントンの女子ダブルス。いつしか心の底から、メダル獲りに挑む日本人選手たちを必死になって応援している自分がいた。
「やっぱり結果を出している人を応援したくなる。いつもは見られている側ですけど、見ている側として、勝たないと『何だよ』と思ってしまうというか。やっている選手たちが『そんなに甘くない』と思う気持ちもわかるんだけど、それでも勝てばもっと応援したくなる。ワールドカップを二度経験したこともあって、ワールドカップ行って終わりではなく、やっぱり決勝トーナメントに行かないと意味がない。今回はアジア最終予選ですけど、あえて言えば3次予選のような感じで、ワールドカップ本番のグループリーグが最終予選になるというか。もちろん今回の戦いは間違いなく僅差になるし、本来ならば日本とオーストラリアだろうと思われるところが、どの国にも狙える戦いになる。その意味でも、一瞬の隙も見せたくない」
決して思いあがっているわけではない。期待されながらグループリーグで敗退したブラジル大会の苦い記憶が鮮明に残っているからこそ、リオデジャネイロ五輪で味わった感動と興奮とがあいまって、勝ち続けなければいけないという使命をより強く感じている。
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岡崎慎司 (c) Getty Images
そして、あらためて言うまでもなく、勝つためにはゴールが必要となる。頑張り屋から点取り屋へ近づこうと奮闘しているレスター・シティでの岡崎のチャレンジは、不動のポジションを築いて久しい日本代表にも間違いなく相乗効果を与えるはずだ。
「大事な試合でゴールを決めていくことは、ただの1点とは価値が違うので。自分にとっても大事になるというか、レスターでも点を取れていない状況なので、飢えていると思います」
UAE代表戦でゴールネットを揺らせば、釜本邦茂、カズこと三浦知良に続いて史上3人目の国際Aマッチ50得点の大台に到達する。30歳になっても貪欲なまでに成長を追い求める岡崎の背中が、ロシアの地を目指すハリルジャパンの羅針盤になる。