チームの期待を表す先発となったが、外野へのきわどい飛球やポップフライのポテンヒットなど、不運とも言える安打が失点につながってしまった。
Kenta Maeda's night is over after four innings.
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) 2016年10月16日
Pedro Baez will take the mound in the fifth. pic.twitter.com/liV1OzKdIV
地区シリーズでは10月10日の第3戦に先発したが、3回を投げ5安打4失点でノックアウト、慎重になりすぎて序盤から球数が増え、甘く入ったボールを確実にとらえられる内容にベンチでうなだれた。
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降板後の前田(2016年10月10日) (c) Getty Images
カブスとのチャンピオンシップ。チームの総合力ではシーズン103勝のカブスが有利との見方が強い。初戦は左腕エースのジョン・レスターが先発。地力に勝るカブスに押し切られてしまう可能性は高い。逆に前田でレスターを討てれば、ドジャースとしては面白いシリーズになるかもしれないところだった。
.@Dodgers RHP Kenta Maeda to start in Game 1 of #NLCS at Cubs on Saturday, manager Dave Roberts announces. pic.twitter.com/yMlm4nldMY
— MLB (@MLB) 2016年10月14日
デーブ・ロバーツ監督は先発した前田を、「確かに彼はこのステージで投げたことないが、多くのビッグゲームに登板してきた。彼は男だ。決して恐れることはない」と力強く送り出した。期待に応えきれなかった前田の悔しさは並大抵のものではないだろう。
■シーズン16勝もブルペン陣に頼った1年目
前田には、できるだけ長いイニングを投げることも求められる。レギュラーシーズンでは32試合に登板して防御率3.48、16勝11敗の成績を残した前田だが、投球回で見ると175回2/3と少ない。32試合のうち7イニング以上投げたゲームが2試合しかないためだ。
原因のひとつはロバーツ監督が投手にしろ野手にしろ、常に早めの交代に踏み切って登録メンバー全員で戦う指揮官だということが挙げられる。ブルペンの投手やベンチ登録の野手を惜しみなく投入していく。それとは別に前田個人の問題として挙げられるのが、4月28日のマイアミ・マーリンズ戦で七回に連打されピンチを招いた場面だ。あそこを抑えられなかったことがシーズン通して前田の起用法を決めてしまったように感じる。
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前田健太 参考画像 (c) Getty Images
1死一、二塁で投手コーチがマウンドへ行くもロバーツ監督の判断は続投。その後、デレク・ディートリックを三振に仕留め2死とするが、続くディー・ゴードンに2点タイムリーを打たれ同点に追いつかれて降板。あそこを抑えていたらロバーツ監督の信頼度は違っていた。
あの試合からロバーツ監督は、中盤以降にピンチを背負ったら前田は引っ張らず、スッパリ切って継投に入るべき投手として扱うようになった。
■勝利はもちろん、少しでも長いイニングを
大黒柱のカーショウはじめ多くの投手が離脱するなか、開幕から唯一ローテーションを守り抜いて、ルーキーイヤーから16勝したのは素晴らしい。だが一方で前田の投球イニングが伸び悩んだ分は、ブルペンの負担としてしわ寄せが行ってる点も否定できない。
短期決戦のポストシーズンに入ったことで、ロバーツ監督はより積極的な交代策を見せており、ブルペンはフル回転が続く。地区シリーズ第5戦ではクローザーのケンリー・ジャンセンを七回からマウンドに上げ、最後は志願登板のカーショウを抑えに起用した。
チームが疲弊しているなか、前田には地区シリーズだけではなく、レギュラーシーズンの借りもまとめて返すような投球を期待したいところだ。
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前田健太 参考画像(2016年10月10日) (c) Getty Images
リーグチャンピオンがかかった第1戦を落としたことは確かに痛手ではある。残りの登板機会は多くはない。次回、前田本来の向かって行く投球が見せられるか。前田が登場した場合、その投球がチームの命運を握ることになる。