日本スポーツ界を変えるきっかけは「大学スポーツ」にあり…明治大学が抱える悩みとは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

日本スポーツ界を変えるきっかけは「大学スポーツ」にあり…明治大学が抱える悩みとは

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4月3日、明治大学学長特任補佐に横浜DeNAベイスターズ前社長の池田純氏が就任した。

池田氏は2011年、ディー・エヌ・エーによる横浜ベイスターズの買収に伴い、横浜DeNAベイスターズの初代社長に就任。

2016年まで社長を務め、コミュニティボール化構想、横浜スタジアムのTOBの成立をはじめさまざまな改革を主導し、5年間で観客動員数は107万人から194万人と180%増加。球団単体での売り上げを52億円から100億円超へ倍増させ、黒字化を実現した実績をもつ。

今回その手腕を買われ、同大学の学長特任補佐に就任した。スポーツ・アドミニストレーターなどの業務を担当し、明治大学におけるスポーツ領域を横断的に統括する。

スポーツ庁においても、このスポーツ・アドミニストレーターの設置が推進されており、政府が主導する大学スポーツ改革に明治大学がひとつの代表校として名乗りを挙げた格好となる。

ベイスターズ退任以前から大学スポーツに関してアドバイスないし補佐をしてほしいと依頼していたという明治大学学長の土屋恵一郎氏は、池田氏を推薦した理由について以下のように明かした。

「各大学、特に六大学は大学スポーツを特に大事に、大学のアイデンティティを示すものとして維持してきました。私も136年の歴史をもつ明治大学で体育会長を兼任していますが、 課題が山積していると感じます」

「大きな課題として、大学スポーツが学生自身の中で関心が薄まりつつあるということです。以前は早明戦などのイベントに6万人の学生を集められましたが、いまはそれだけ人を集めることは難しい」

「また、地域と大学スポーツがどう関わっていくか。カレッジスポーツを地域に根づいた、地域とのつがなりのある活気のある場所へと転換していきたい。まさしく池田さんは横浜ベイスターズにおいて、横浜という町の中で球団をクローズアップして黒字化していくという役割を果たされました。その経験を活かしていただきたい」

「課題はたくさんありますが、私たちだけでは解決できない。外部から池田さんのような才能を持った人に来ていただいてこの問題の解決の糸口を与えていただき、一緒に大学スポーツを前進させていきたいと思っています」

明治大学学長特任補佐に就任した池田純氏(中央)

池田氏が「まだ黎明期」と語る日本大学スポーツ界。日本のスポーツが産業として発展していく上で、プロスポーツとともに大学スポーツが果たす役割は大きいと指摘した。

「いろいろな仕事を経験してきて、日本のスポーツの産業化において、軸となっていくのは大学スポーツだと思うんです。アメリカのスポーツチャンネル、ESPNでは、WBCの決勝よりも大学のバスケットボールの試合が優先される。観客をしっかりつかまえて、学生のなかでアイデンティティをもたせている。その先にビジネスがある。スポーツビジネスの先進国であるアメリカとの大きな差は、カレッジスポーツの差だと感じています。ここを育てていけば日本のスポーツ産業成長の余地があります。まだ手付かずの状態なので、まずはここから」

以前は住友商事や博報堂に勤務するなど、神保町周辺に活動領域を置いてきていた池田氏だが、明治大学のある御茶ノ水や神保町に大学スポーツがにじみ出る気配を感じたことが「ない」とこぼした。

そうした自身の経験も含めて、明治大学のスポーツが地域からも応援される存在になる手助けをしたいと意気込んだ。

《大日方航》

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