ツール・ド・フランスの魔の山モンバントゥーもこの時期は極寒の様相
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プロバンスにあるモンバントゥーは、ピレネーにもアルプスにも属さない標高1912mの独立峰だが、有名な伝説が生まれた場所として人々の記憶に残っている霊峰。昆虫学者のファーブルが生涯30回も登ったという山岳は、セミ時雨があふれるプロバンス地方にあって特異な景観と異様な雰囲気に満ちあふれている。
森林限界でもないのに草木が朽ちて、直径30cmほどの白い岩が白骨のように敷き詰められる。地中海から吹きつける季節風ミストラルが、斜面を駆け上がるうちに体の芯まで凍らせる冷気に豹変し、真冬は豪雪地帯となる。
測候所の塔がそびえる頂上より1kmほど下ったところに1つの墓石がある。
「トム・シンプソン。オリンピックメダリスト、世界チャンピオン。67ツール・ド・フランス、7月13日、ここに死す」。かつてレース中に昏睡したイギリスのスーパースターが命を落としたところなのである。
その悲劇以来、この山岳は名だたるプロ選手も畏怖する存在となる。70年には「人食い鬼」と呼ばれるほどの強さを誇ったエディ・メルクスが、宿敵プリドールの猛攻撃で窮地に陥った際に、ゴール手前のシンプソンの墓を通過するときに脱帽したことが話題となった。また2000年にはランス・アームストロングがマルコ・パンターニと接戦を繰り広げ、最後は区間勝利をパンターニに「プレゼント」したことで物議をかもし出した。02年には山岳王のリシャール・ビランクが独走勝利した。
《山口和幸》
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