クリーブランドに舞台を移しての第3、4戦。ホームのキャバリアーズが第3戦を接戦で制するものの、第4戦はこのカード初の大差でウォリアーズに敗北しました。これによって4戦を終えての結果は2勝2敗の五分。残りの3戦で2勝したチームがファイナルを制することとなりました。
さて、今回取り上げるのは第3、4戦ではありますが、4戦全体の流れとしては第1、2、3戦をひとまとめとして、第4戦を独立したものと見る方が、第5戦以降を観戦する上でわかりやすいです。
第3戦は第1、2戦と同様にレブロン・ジェームズの目立つ試合となりました。結果的にレブロンはこの試合で40得点をあげ、NBAファイナルの最初の3戦で獲得した得点数、歴代最多という記録を樹立しました。まだ現役の絶頂期にあって、こうした記録を次々と打ち立てていくレブロンは、やはりNBA界のキングと言えます。一方のウォリアーズは第3戦も思うように戦えませんでした。
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レブロン・ジェームズ
第4クォーターはウォリアーズらしさを発揮し、ステファン・カリーも爆発しました。ですが、得点差のついた終盤に一気に追いつくためにカリーが打ったシュートの数々は、一試合を通じてセレクションするようなものではありません。結果的にカリーは27得点をあげ、試合も接戦となりましたが、レブロンを中心としたキャバリアーズのオフェンスを止めるには至っておらず、ほぼ終始キャバリアーズにペースを握られているゲームとなりました。
これは、ここまでの第1、2戦の流れとまったく同じです。勝敗は分かれているものの、試合のペースはキャバリアーズが握っており、ウォリアーズはチームとしてレブロンを抑えきれないままでした。こうした第3戦までの流れを大きく変えたのは、1勝2敗とアウェイとは言え負けられないウォリアーズの戦術変更でした。ウォリアーズの喫緊の課題はふたつだったと言えます。
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ステファン・カリー
ひとつはカリーのよいシュート機会を増やすこと。もうひとつはレブロンと、彼を中心としたキャバリアーズのチームオフェンスを抑えることです。前者については第4戦、カリーは序盤から積極的にシュートを狙っていきます。これは、第3戦まで執拗にカリーをディフェンスしていたマシュー・デラヴェドバのマークをウォリアーズが外すことに成功したためです。第3戦までと比べて、オフボールでのスクリーンの頻度が上がり、積極的にミスマッチを作るようにしました。
【ウォリアーズ対キャバリアーズのプレイオフファイナル第3、4戦 続く】