「悔しかったですね、ホントに。このメンバーで戦える最後の試合だったので。立ち上がりでやられてしまいましたけど、それ以外の時間帯を見たら日本にもできることがあったし、あそこまで点差が開くような内容でもなかったと思うので」
計102分間におよんだプレーで得た手応えと悔しさを、来年のリオデジャネイロ・オリンピック以降の戦いへつなげる。それも、自分が中心となって。
■なでしこジャパン最年少選手の決意
愛くるしいルックスを真剣な表情に変えて、岩渕は覚悟を決めたような口調で胸中に秘めていた決意を静かに語り始めた。
「2大会連続のチーム最年少選手ということで、自分の周りの学年の子がいないのは本当に事実ですし、そのなかでワールドカップを2回、優勝と準優勝を経験させてもらったので、経験値だけをとったら確実に周りの(同世代の)子よりは秀でているので。プレーでもそうですけど、プレー以外のところでもしっかりと引っ張っていける存在になりたい」
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女子ワールドカップ決勝、対アメリカ戦
岩渕が世界へ衝撃を与えたのは2008年秋。ニュージーランドで開催されたU‐17女子ワールドカップで、4試合で17ゴールを叩き出したリトルなでしこの中心で放った眩い輝きが、国際サッカー連盟(FIFA)や参加各国の首脳陣を魅了した。
スピード、テクニック、クイックネス、そして高い決定力。ベスト8敗退チームからは異例となる大会MVPに選出され、FIFA公式サイトは洒落た見出しで岩渕を絶賛した。
「Mana from Heaven(天国からの贈り物)」
同年には育成年代の日テレ・メニーナから、数々のタイトルを獲得してきた日テレ・ベレーザへ昇格。世界が熱い視線を送る逸材への期待の大きさは、3年目となる2010年シーズンから与えられた背番号「10」が物語っていた。
【なでしこジャパンの次世代エース・岩渕真奈が見すえる未来 続く】