---:現在の目標というのはなんですか?
黒野:僕たちの競技はまだオリンピック種目ではないので、そこが一番ネックなんです。でも、僕が個人として今やりたいことは、東京オリンピックでパフォーマンスをしたいということなんです。もう本当、それに尽きますね。
そのためにまず、自分が世界の競技の上でまず活躍して認知度を広げていって、オリンピックなど、そういう大舞台でパフォーマンスできるように頑張っていこうかなと思ってます。
---:オリンピック競技になる動きはあるのですか?
黒野:はい。一応、なわとびの世界選手権を担当している連盟がオリンピックに2回申し込んでいて、2回落ちているんですよね。オリンピックって確か、3回申し込んで3回落ちてると、もう採用されないんです。というルールがあるので、もう1個、新しく連盟ができたんです。
それはもう少し、もっとオリンピック用のルールというか、ちょっと採点方法とかも変えて、より競技性のあるルールというか。そういったものを目指していくんだと思います。
---:フィギュアスケート的な、芸術部分が大きいんですか?
黒野:いや、採点化されやすいようになっていて。
---:採点化されやすい?
黒野:はい。やっぱりフィギュアスケートとかも、今って結構バッシングあるじゃないですか? ホームだと強いとか。なので、もっとこう、より細かくなったというか、ルールが。この技を本当、何点、この技、何点って、これをやったら全部で何点というように採点化されやすくなったという感じです。
確か10年ぐらい世界選手権をやっていないと申し込めないというのがあったと思うので、まだ新しくできた連盟のほうは申し込めない。もともとあった連盟も3回申し込んで落ちてしまうと怖いので、様子を見ているところです。
でも、ロンドンでは世界のトップ選手たちがパフォーマンスをやっていました。なので、何かしら関われるかな、とは思っていて。東京オリンピック以降では自分が出るのはちょっと年齢的にキツいので、東京オリンピックで何かパフォーマンスできればと。学校を卒業しちゃうと、また動きに制限がかかっちゃうかもしれないので、この先どうなるかな、っていう部分があるんですけど。
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---:この春から就職されていますが、なわとびの活動と仕事との両立については。
黒野:そこはもう最初に会社にお話をしてあって、副業というか、自分に依頼があったりしたものは、そっちでも働いていいよという話になっています。練習も正直、なわとびはどこでも練習できるので。
---:なわとび競技はワールドゲームズ(「第2のオリンピック」とも言われる国際的トップアスリートによる総合競技大会。ここで評価された競技はオリンピック競技に推薦されたりする)ではやっていないのですか?
黒野:まだやってないですね。ワールドゲームズに向けた「アーノルドスポーツフェスティバル」というマイナー競技の世界選手権みたいなのはあるんですけど、そこに一昨年から入っています。
---:オリンピックは、ワールドゲームズに行かないと行けないですよね?
黒野:はい…。
---:ここを跳び越えて、オリンピックへ入れてって2回言ったということでしょうか?
黒野:と思います。
---:それは厳しいですね。
黒野:確かに、それはちょっと無理があるのかもしれないですよね。
---:協会はどんな人がやってるしょうか?
黒野:インターナショナル協会の方は、いまいち分かんなくって。世界のほうがもっと競技人口がはるかに多いんですね。それに比べると、日本は全然進んでないんですよね。
個人でポッと最近出てきてる人はいるんですけど。ですので、なかなか連盟が大きくならない。もう本当に、僕たちみたいな日本で競技やってる人間は、世界の人たちの連盟が言ってることに従うしかないっていう感じで、なかなか難しいんです。
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