セレモニーを終えた後のロッカールーム。恋人の件に関してチームメイトから突っ込みを入れられ続けた原口は、取材エリアでけげんそうな表情を浮かべていた。
「ただ単に感謝したい人を思い浮かべていったら、恋人が入っちゃっただけなんですけど。みんなから『お前、それはおかしい。日本人は普通、言わないぞ』とめちゃ言われました。別のオレのなかでは普通なんですけど。そういえば、お客さんもどよめいていましたね」
究極の「鈍感力」とでも表現すればいいのか。槙野は苦笑いを通り越して、ある意味で頼もしげな視線を原口へ送りながらこんなエールを送っている。
「元気に聞いたら、数日前からあのスピーチを考えていたというんですね。考え抜いたなかで、あれ(恋人)をチョイスすることが元気は普通だと思っているんですけど、その時点で普通ではないですね。つまり、そういうところが海外向きだと思います」
槙野自身、ケルンの一員としてブンデスリーガの戦いを経験している。だからこそ、いい意味で日本人の枠を超越した原口の思考回路が必ず武器になると力を込めたわけだ。

↓次ページ 左サイドからアフガニスタンを切り裂く!↓