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【THE REAL】組織のなかで異彩を放つ個性…宇佐美貴史がハリルジャパンにもたらす閃きと意外性

オピニオン コラム
宇佐美貴史(2015年6月11日)
宇佐美貴史(2015年6月11日) 全 7 枚 拡大写真
キックオフ直前。国歌を斉唱しながら、興奮している自分自身に気がついた。バイエルン・ミュンヘンの一員だった2012年5月19日。チェルシーとのチャンピオンズリーグ決勝でベンチ入りしたときにも、味わうことがなかった感覚だった。

「今日のほうがはるかに昂ぶるものはありましたね」

■指揮官の要求を完璧に体現する

ハリルホジッチ監督は「何年か前からチームが実践してきた方法を抜本的に変えた」と、3月の初練習からここまでの軌跡を振り返る。

特にオフェンス面ではいま現在の世界基準である「縦への意識」を注入。複数の選手が動きながらワンタッチ、ツータッチで縦へ素早く攻めるパターンを求めながら、こうも語ってきた。

「個人の能力を閉じることはしない。本田も香川も宇佐美も能力をもっているが、ひとりだけのプレーではないということを、彼らは理解する必要がある。それがチームの力だ。個人の能力を組織に生かすということだ。それが強豪国になる道だと思う」


ハリルホジッチ監督と宇佐美貴史

チームという組織のなかで「個」を最大限に生かす。苦手とされていた守備でのタスクなどをしっかりと遂行しながら、自身にとっての最大の武器となる日本人離れしたドリブルを仕掛け、岡崎の代表通算44ゴール目をお膳立てしたプレーは指揮官の要求を完璧に体現したものでもあった。

誰よりも宇佐美本人が、イラクの選手たちを翻弄したドリブルに手応えを与えていた。

「チームのやり方というものが決まっているにせよ、それを同じように繰り返していけば、まったく個性のないサッカーになってしまう。アイデアや癖というものも含めて、こういうときに自分はこうしたい、という希望を出していくことで、次に自分が出たときにまた違うサッカーになっていくのが理想ですよね。もちろん決められたプレーはしないといけないけど、自分のアイデアを前面に押し出していかないと『自分らしさ』も出ないし、チームに落とし込むこともできない。そこは強く意識している部分ではありますね」

組織のなかで異彩を放つプレーを通して、自己を強烈にアピールするからか。アルベルト・ザッケローニ元監督が招集しても起用せず、ハビエル・アギーレ前監督は招集すらしなかった宇佐美を、ハリルホジッチ監督は高く評価している。

体脂肪率が12%よりも高い選手の代表として宇佐美を名指しし、メディアがいる前で改善するように要求したのも、期待感の裏返しだったといっていい。

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《藤江直人》

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