【THE REAL】ジュビロ磐田で輝きを放つホープ…司令塔・小林祐希、黄金の左足に込める矜持と決意
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コラム

■鮮やかな思考のシンクロ
右タッチライン際をドリブルで攻め上がりながら、おもむろにスピードを緩める。利き足の左足の裏でボールの表面を一度、二度となぞり、巧みに時間をつくりだす。
一度ヨコパスを試みるも、マーカーのMF三竿健斗にカットされかける。すかさず体を寄せて相手の自由を奪い、右肩で三竿をブロックしながら再びボールを支配下に置いた次の瞬間だった。
小林の照準は、ペナルティーエリア周辺に生じたスペースへ走り込んできた川辺に定められていた。スピードに乗った川辺が伸ばした右足の先に、測ったように正確無比なスルーパスが通る。
「周りの選手がボールをもったら、常に前へ行こうという意識があった。人数が少ないなかで一番若い自分が、誰よりも走らなきゃいけないと思っていたので」
川辺の決意と小林の頭脳の鮮やかなるシンクロ。トラップからそのままの勢いでゴール前の右サイドへ抜け出した川辺は、小さなフェイントで追走してきたDF田村直也を置き去りにしてから、迷うことなく右足を振り抜く。
強烈な弾道がニアサイドを撃ち抜き、ネットの上部へ突き刺さる。2人のアイコンタクトで計算通りにもぎ取った待望の先制点に、小林は会心の笑顔を浮かべた。
「ハヤオ(川辺)と話をしてから5分くらいで決まったからね。やっぱりオレらはもっていますよ。人によって特徴が違うから、右足か左足か、スペースか足元への速いパスか、敵の裏か前か、といったところまでオレはすべて細かく考えてパスを出している。できるだけ次の人がフリーにならないと意味がないから、オレに(ボールと注意を)寄せておいて次の人というのは常にイメージしています」
広い視野と高度なテクニック、そして左足から放たれる多彩なキックは育成年代から注目され、常に年代別の日本代表に名前を連ねてきた。
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