【THE REAL】5年ぶりのJ1復帰…田村友の飛躍に見る、井原監督のアビスパ福岡改革の軌跡
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
敵地・西京極で行われる7月22日の京都サンガ戦へ。指揮官はそれまで一度も公式戦で起用したことのなかった福岡大学卒のルーキー、田村友を先発として抜擢する。
■粘り強い守備を生み出すあきらめない心
田村は大学までボランチを主戦場とし、アビスパでもMFとして登録されていた。果たして、185cm、88kgのサイズに恵まれた大型ボランチが配置されたのは、3バックで組む最終ラインの右だった。
大学時代までの自分を、田村はこう振り返る。
「実はディフェンスがあまり得意ではなかったんですよ」
苦笑いを隠せない田村が、なぜ守備力を要する最終ラインへコンバートされたのか。そこには、現役時代には日本代表のキャプテンを務めた井原監督の慧眼と周到な準備があった。
粘り強い守備を生み出すあきらめない心。そして、1対1の球際で腰を引かない闘志。シーズン開幕へ向けて始動した直後から、指揮官はふたつのテーマを選手たちに求め続けた。
ちょっとでも気を抜く。まあいいかと、おざなりにする。あるいは、他人任せにする。その瞬間に温厚な人柄で知られる井原監督は鬼に豹変し、選手たちをたじろがせてきた。
■メンタルを変える
サッカーは天国と地獄が常に背中合わせの戦いを強いられる。日本歴代2位の122キャップを獲得し、いつしか「アジアの壁」と呼ばれた現役時代で、何度も喜怒哀楽を脳裏に刻んできた。
天国の代表が悲願のワールドカップ初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」ならば、地獄のそれは後半アディショナルタイムの失点でワールドカップ切符を逃した「ドーハの悲劇」となる。
地獄と遭遇する確率を、ゼロに近づける方法はひとつしかない。自らの経験から弾き出された答えをふたつのテーマに集約させて、昨シーズンは16位に低迷したアビスパを根本から変える作業に着手した。
技術やフィジカルより、まずはメンタルを変える。チーム改革の過程で最終ラインを務める機会が多くなった田村は、ディフェンスを不得手としてきた理由に気がつく。
「ボランチのときは360度から相手に狙われていましたけど、これがセンターバックとなると前からしかこない。対人の強さというものがだんだん自信になってきたし、ビルドアップという点でも自分の持ち味を出せるポジションなのかなと思えるようになりました」
【田村友の飛躍に見る、井原監督のアビスパ福岡改革の軌跡 続く】
《藤江直人》
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