【THE REAL】川崎フロンターレで輝きを放つ小さな将軍…大島僚太が手倉森ジャパンにもたらす新たな武器
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
◆うまいけど、物足りない
左サイドを攻め上がってきたDF車屋紳太郎が、ペナルティーエリア内の左隅で前方をDF松原健とMF野津田岳人にさえぎられる。援護しようと車屋に近づいていった大島は、すでに次のプレーを決めていた。
「シン(車屋)がボールをもったときに、(自分が)シュートを打つつもりでサポートにいきました」
車屋がさげたパスをトラップする。この時点でボールを右足で蹴れる場所に置き、体の向きを相手ゴールのある右斜め前方に向けていた。距離にして約25メートル。大島に迷いはなかった。
「ボールをもってからは、中のことは見ていませんでした。しっかりとシュートを打つことだけに集中していたので、自分でもびっくりしました。隅のほうへ飛んでいったので、多分、相手のキーパーは捕れないかなと。蹴ったときの感触もよかったので、入ると思いました」
強烈な弾道がペナルティーエリア内の空間を一直線に切り裂いていく。到達点はゴール右隅の一番上。アルビレックスのGK守田達弥が必死にダイブして、懸命に右手を伸ばしてもまったく届かない。
大島を思わず自画自賛させた、豪快にして華麗な同点ゴール。右足首を痛めて、スタンドでの観戦を余儀なくされていたMF中村憲剛が試合後に声を弾ませた。
「点を取ったらアイツはいいよ。点に絡めるようになったら、アイツはすごいことになっていく。アイツはあまり欲がないというか、表に出さないタイプだから」
ボランチで長くコンビを組んできたキャプテンの言葉が、フロンターレにおける大島の存在感を物語っている。テクニックは誰よりも長けている。パスもドリブルも上手い。それでも、物足りなさを感じさせる。
たとえばゴール数。静岡学園高から加入して2年目の2012シーズンに3ゴールをあげているが、翌シーズンから3年連続で無得点。ポジションを不動のものとしながら、大島自身ももどかしさを覚えていた。
「前線の選手に絡んでいく部分でいえば、もう少しゴールやアシストは欲しいし、味方のゴールに直結するプレーを増やさなきゃいけないと思っている」
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《藤江直人》
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